月100種類程度だった新商品の数も今では驚きの……!

 10年前はロケーション型が主流で、店舗型の専門店は数えるほどしかなかった。それが今では専門店が増え、子どもから大人まで楽しむエンターテインメント空間として、新しい顧客層を取り込むまでに進化した。

 商品そのものの多様化も著しい。

 10年前は月に毎月100種類程度だった新商品数が、現在では500種類を超える。メーカー数も10年前の10社程度から現在では50社以上に増加している。この中には、アミューズメント業界からの新規参入企業も多い。

 また、商品価格の幅も広がりを見せている。

 かつて主流だった200円商品に加え、現在では300円、500円、さらには800円から2500円の高価格帯商品も登場している。特に2021年から展開しているバンダイの「プレミアムガシャポン」は、高価格帯ながら品質の高さで消費者を惹きつけ、コレクション性を重視する大人の支持を得ている。

 ガチャガチャ業界の成功を支えているもう一つの要素が、SNSの普及である。

 2008年に日本で開始したTwitter(現在はX)やFacebook、Instagramなどのプラットフォームで、消費者が購入したガチャガチャ商品を写真付きで投稿し、その楽しさや意外性を共有している。

 このような消費者発信型の情報拡散が、ガチャガチャの魅力を広く伝える役割を果たしている。SNSとガチャガチャは親和性が高く、消費者同士の情報共有によって購入意欲をさらに高めたと言ってもよい。