
多くの人が、きっと一度は遊んだことのある「カプセルトイ」。ハンドルを回すと中の玩具がランダムに出てくることから「ガチャガチャ」とも呼ばれ、子どもたちを中心に親しまれてきました。かつてはスーパーやゲームセンターの一角などにひっそりと置かれているのが定番でしたが、最近では駅構内に大量設置されていたり、時にはカプセルトイだけを数百台集めた「専門店」が続々出店したりしています。そもそもカプセルトイにはどのような歴史があり、なぜここまで広がってきたのでしょうか。やさしく解説します。
ガチャガチャの歴史
カプセルトイはもともと、米国のガムボール小型自販機(硬貨を入れてハンドルを回すと、丸いガムが出てくるもの)が起源とされています。
このマシンを1965年、この年に創業したペニイ商会(現ペニイ、東京都葛飾区/タカラトミーグループ)が初めて輸入し、取り扱いを開始しました。同社によると、当初は今よりもずっと小さい直径約4センチのカプセルに海外のおもちゃを入れていたそうです。
料金は1回10円、キャッチコピーは「10円で世界の玩具を集めよう!」。駄菓子屋や文具店などの店頭に設置され、子どもたちの間でたちまち人気となりました。
1977年になると、玩具大手バンダイ(東京都台東区)もカプセルトイ事業に参入しました。1983年には同時期に大ヒットした漫画・アニメ作品「キン肉マン」のキャラクター消しゴム、いわゆる「キンケシ」を景品に導入。同社によると、1987年までの5年足らずで累計1億8000万個を売り上げる大ヒットとなりました。
かつては「子ども向け」の側面が強かったカプセルトイですが、次第にコレクション要素の強い景品が主流になってきたことなどから、そのターゲットは大人に移り変わりつつあります。
それを示す調査データを紹介しましょう。