おもしろガチャ
大人の心もつかむ昨今のカプセルトイは、どのようなラインナップになっているのでしょうか。SNSを覗くと、さまざまなアイテムが話題を呼んでいるのがわかります。
その1つが「懐かしさ」を感じさせる版権アイテム。
例えば、1996年からNHK教育テレビで放送されている「ざわざわ森のがんこちゃん」を商品化した「ぬいぐるみボールチェーン」(全4種、1回400円/夢屋)は、今年3月下旬、SNSのXで大きな話題を呼びました。
カプセルトイ情報に特化した大手アカウントが新発売情報を投稿したところ、リポストが1.6万回超、いいねは8.8万回に達しました。番組を観て育ったと思われる世代からは「ずっと探してる」「見つけた人教えて」「絶対欲しい」など、何とか手に入れたいと願う声が聞こえています。
また、実際に売られているお菓子や駅弁、メイク用品などをミニチュア化し、時にチャームやキーホルダーに仕立てたアイテムも根強い人気を見せています。
商品の多様化に伴って、カプセルそのものの多様化も進んできました。

バンダイが2014年にリリースした新型カプセル自販機「ガシャポンカン」は、直径約6センチ×高さ約10センチという筒型のカプセルを採用。仮面ライダーの人形や、美少女戦士アニメに登場する変身スティックなど、従来の球型カプセルには入らない細長いアイテムの販売にもつながっています。
ガムボールの小型自販機から始まったカプセルトイは、今や日本独自の文化となっています。
外務省が日本文化などを外国人向けに発信している情報サイト「Web Japan」も、カプセルトイを取り上げ、「The Hidden Treasures Inside Capsule Toys -Even Adults Love Them(訳:大人も魅了する、カプセル内の秘宝)」と紹介しています。
その記事では「信じがたいほどリアルな昆虫のミニチュアが100円で手に入る」「コンプリートを目指す人も多い」と説明したうえで、観光客にも人気が高いと言及。駅や空港などに多数設置されていることから、帰国前に余った小銭で遊ぶ人がいると説明し、最後は「小さなカプセルの中は日本独自のアイデアでいっぱい」と締めくくりました。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。