急速に進むガチャガチャ業界の海外展開
また、ガチャガチャメーカーの多くが中小零細メーカーだ。10年前では、ガチャガチャの商品は発売日が事前に公表されることがほとんどなく、店舗で偶然見つけてもらうしかなかった。
だが、SNSが普及したことで、メーカーにとって、SNSが一つの武器となっている。SNSで商品の宣伝ができることで、多くの消費者に情報を届けることができるようになったことも、ここ10年で大きな出来事だと言えるだろう。
また、ガチャガチャ業界の発展は国内にとどまらず、近年では海外展開が急速に進んでいる。
バンダイは1993年に香港で初の海外進出を果たした後、2024年時点でアジア、北米、欧州の12エリアで34店舗を展開している。海外市場では、現地の購買スタイルに合わせたサービスが導入されている。
日本ガチャガチャ協会の会長の小野尾勝彦氏に海外展開について尋ねると、「国内はインバウンド需要で賑わっているが、ここ最近、今後の市場を見据え、海外展開するメーカーも増えてきた。
ガチャガチャの機械でも、日本国内では現金が主流であるのに対し、海外ではクレジットカード対応などの機械があり、日本の買い方とは違う。その国に合わせた買い方で普及している」との見方もある。
一方で、少子高齢化という課題にも対応が進んでいる。子どもの数が減少する中で、大人向けの商品やシニア層をターゲットにしたラインアップが増えているのだ。