第5部:ロシア国家予算案遂行状況概観

 露財務省発表によれば2023年国家予算案遂行状況は下記の通りにて、油価下落により石油・ガス税収は前年比▲24%、非石油・ガス税収は+25%になりました。

 非石油・ガス増収は大幅増税に起因します。

 油価(ウラル原油)と生産量が下落すれば、露経済・財政を直撃。油価・生産量下落→露経済弱体化→戦費減少・枯渇となります。

 これが、ウラル原油の油価動静と原油・ガス生産量が注目されるゆえんです。

 露財務省は11月7日、今年1~10月度のロシア国家予算案遂行状況を発表しました。

 しかし、露財務省サイトにはアクセス不可能なので、露各紙の新聞情報から数字を抜粋します。

 今年1~10月度は赤字幅2200億ルーブル(GDP比0.1%)ですが、今年通期の歳入見通しは36.1兆ルーブル、歳出見通し39.4兆ルーブル、赤字幅3.3兆ルーブル(GDP比1.7%)です。

 ただし、露ウラル原油の油価は下落傾向ゆえ、今年の国家財政赤字はさらに拡大必至と言えましょう。