第4部:ロシア国家予算案概観
最初に、2022年と2023年の期首予算案と実績を概観します。
2022年の予算案期首想定油価(ウラル原油)バレル$62.2に対し、実績は$76.1でした。
ゆえに本来ならば予算収支黒字案はさらに黒字幅拡大予定が、ウクライナ戦争により実績は大幅赤字となりました。
2023年は期首予算案$70.1に対し実績は$63.0となり、赤字幅は増大しました。
次に、2024年期首予算案と9月現在の予算案見通し、および現在露下院にて審議中の2025年期首予算原案を概観します(bcm=10億立方メートル)。
ロシア政府は9月30日、2025年政府予算原案(26年・27年計画)を露下院に提出。この予算原案は下院総会にて3回審議・採択後、露上院に回付されます。
露上院にて承認後、露大統領の署名をもって予算原案は成立・発効します。現状では予算原案ですが、数字が大きく変わることはなく、今年12月初旬までにはプーチン大統領が署名して発効するはずです。