彼女は検察側からの被告人質問で、4月1日にドン・ファンから覚醒剤購入用に20万円をもらい、それからほどなくして自分の口座に入金したとしています。コンビニのATMで入金したタイミングについては『その日の夜』としていたところ、検察からATMの入金記録は4月1日の午後2時58分だったと指摘されてしまった。『おカネを受け取ったのは前日の3月31日かも、記憶が混ざっていた』などと釈明していましたが、苦しい言い訳に聞こえます。

 それまで覚醒剤を買ったこともないという女性が覚せい剤取引のためにもらったカネを扱うのですから、普通の感覚なら、記憶があいまいになることは考えにくいと思うのですが……」

普段と違う行動パターン

野崎幸助氏(撮影:吉田 隆)
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 検察は野崎氏が亡くなった5月24日の夜の被告の行動についてツッコミを入れてきた。

 野崎氏が死亡した当日の被告の行動だ。検察側は冒頭陳述で、犯行時間が午後4時50分から午後8時ごろとし、この間、早貴被告のスマートフォンの健康管理アプリには、野崎氏が死亡していた2階へ8回も上がった記録があると指摘していた。この記録について弁護側の質問には、「2階と1階との行き来は日常茶飯事なので覚えていない」と述べていた。

検察官「日常茶飯事ということは8回の行き来は不自然ではない?」

早貴被告「そうです」

検察官「本当に?」

早貴被告「はい」

 検察側は、18年4月20日~同年5月23日(死亡前日)の同時間帯のアプリの記録を示す。0回が12日で最も多く、1回が8日で続く。全ての日に野崎さん宅に滞在していたわけではないが、8回は一度もなく、5回と6回もそれぞれ1日しかなかった。