早貴被告「言ったらどうなるか分からなかった。人殺し扱いだったし、言ったらどうなるか怖くて」
検察「説明すればよかった」
早貴被告「信じてもらえるとは思わなかった。刑事たちの間でストーリーができているんだなと思って言えなかった」
検察「(任意で捜査を受けていた時期に)弁護士に警察との間に入ってもらっていた。そのときは」
早貴被告「弁護士にも言っていません」
早貴被告が法廷で犯した“ミス”
早貴被告の証言の“失敗”についてジャーナリストの吉田隆氏が解説する。
「事情聴取の段階で『社長から覚醒剤を買ってくるように言われていた』と話さなかったのは、信じてもらえると思えなかったから、という説明はかなり苦しい言い訳に聞こえました。事件後直ぐに、ボクとマコやんは毎晩、早貴被告と大下さんから事情を聞いていて、そのときには『社長から買ってきてと頼まれていた』なんてひと言も言っていなかったからです。仮に言ったとしても、すぐにウソだと見破られたでしょうが……。
ドン・ファンが日常的に覚醒剤を使っていないということは周囲も彼女も承知していたので、セックスのときに勃たないからということにして、『覚醒剤を使えばセックスできると思った野崎氏が買ってくるようにせがんだ』というストーリーにしたのではないでしょうか。
ただこれも証人になった大阪の愛人“菜々ちゃん”が『私は勃起させることができました』とまで明らかにしたので、早貴被告の『ドン・ファンはセックスのときに勃たない』という証言に疑問符がつくことになりました。
そして彼女の大きな“ミス”は、ドン・ファンから購入代金を貰った日として詳しい日時を喋ってしまったことではないでしょうか。嘘をつこうとすると誰しも、真実味を持たせるために、具体的なことを話してしまいがちです。しかしそこからウソがばれることが往々にしてある。