お手伝いさんを「私の悪口ばっかり言っている人」

 公判では検索履歴についても被告は弁明している。検察の冒陳では、野崎さんとの結婚後に「完全犯罪」「覚醒剤 過剰摂取」などと犯罪に関するワードを繰り返し検索していたことが明かされていた。

弁護人「普段、ネットでどのような検索をしている?」

早貴被告「昔から殺人事件とか、グロテスクな不気味な事件の動画を見るのが好きでした」

弁護人「知り合った後も『猟奇的殺人』『溺死』などを検索している。これらを検索したのはなぜ」

早貴被告「特別な理由はありません」

弁護人「(2018年)3月31日には『老人 死亡』と検索している」

早貴被告「直前に老人ホームで3人が転落死させられた事件に関する動画を見ていた。それが影響している」

 この日は自身が犯人視されていることへの不満の言葉もあった。これまでの公判で、お手伝いさんの大下さんは健康状態がすぐれず出廷しなかったが、その供述調書が読み上げられた。その中には事件当日について「(早貴被告は)普段は2階にいるが、この日は1階にいて不思議だった。何度か催促してようやく2階へ行った」などの発言があった。

弁護人「検察側はこの供述調書を『中立的』と紹介している」

早貴被告「私の悪口ばっかり言っている人を中立的と紹介するのはアンフェアだなと。家政婦は噓をついている。私を陥れようとしている」

野崎氏の葬儀の時に喪主を務めた早貴被告と、彼女に寄り添う大下さん(撮影:吉田 隆)*写真は一部加工しています
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