家康も惚れた!? 井伊直政(「モテる」ランキング2位)

 天下をとるために手段を選ばなかった豊臣秀吉。徳川家康を従わせるために関係性を強化しようと目論んで、自分の妹を家康の正室に送り込んだばかりか、母親の大政所まで人質として家康に差し出している。これには家康も無視するわけにはいかず、秀吉のいる大坂へ。ついに対面を果たし、家康は秀吉に従う姿勢を見せた。

 人質としての役目を終えた大政所は、大坂へ帰ることとなった。その帰りの護衛に、大政所は家康の家臣・井伊直政を指名したという。

 というのも、直政は人質となった大政所のもとに菓子を持参して度々訪れては、大切な客としてきちんともてなしていた。ほかの接待役の態度が荒々しかっただけに、美形で優しい直政に大政所は魅了されたという。

彦根駅前の井伊直政公像彦根駅前の井伊直政公像(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 直政の美しさは、男色ではなかった家康ですらも惚れかけたほどだったというから、大政所が可愛がったのも無理はない。直政が家康の家臣となったのは15歳のとき。鷹狩りの途中で、直政を見かけて家康が声をかけたのがきっかけだったと伝えられている。

 歴史ある名門の井伊家の生まれで、かつルックスも良いとあって、家康にはずいぶんと重宝されている。礼儀正しく所作も美しい直政は、徳川代表の使者として、他の大名との交渉にあたるのにもぴったりだったようだ。