稀代のモテ男、土方歳三(「モテる」ランキング1位)
いやいや、実物と違いすぎでしょ! そうツッコミたくなるほど、歴史人物がキャラクターとして美化されることが最近は多いが、新選組の副長、土方歳三は残された写真からしても正真正銘のイケメンである。
親子で本人をよく知る八木為三郎は、土方について次のように語った。
「土方は役者のような男だとよく父が云いました。真黒い髪でこれがふさふさとしていて、目がぱっちりして、引き締まった顔でした」
ルックスが良いからといってモテるとは限らないが、土方の場合はモテまくっていた。少年時代に早くも、女性トラブルで奉公先を追い出されたこともあったくらいだ。
とりわけ新選組の副長をしていた頃は、絶頂のモテ期だった。名主・小島鹿之助に「京都に北野、北新地とあちこちの場所でモテまくって困った……」と手紙を書いて、自身のモテぶりを披露している。新選組の規律を厳しく守らせた「鬼の副長」らしからぬモテ自慢に、相手も苦笑したことだろう。こんな歌まで残している。
「報国の 心を忘るる 婦人哉」
(モテ過ぎて、国から受けた恩に報いることを、忘れてしまいそう)