恋愛事情や恋愛観は人ぞれぞれで、意外な素顔が垣間見られることもよくあることだ。歴史に名を残す偉人たちもまた、私たちと同じように恋に落ちては幸福の絶頂に至ったり、はたまた失意のどん底に突き落とされたりしていた。「モテモテだった偉人」「恋に奔放だった偉人」たちの恋愛エピソードを紹介する。(JBpress編集部)
(*)本稿は『ひょんな偉人ランキング─たまげた日本史』(真山知幸著/さくら舎)の一部を抜粋・再編集したものです。
凍死するほど君が好き、小野小町(「モテる」ランキング3位)
楊貴妃、クレオパトラに並んで「世界三大美女」の一人とされている平安時代前期の女流歌人・小野小町だが、実際に美人だったかどうかはわかっていない。
しかし、小野小町が多くの男性にモテたのは確からしい。中でも小野小町に夢中になった深草少将は「百夜通い伝説」を残した人物として知られている。恋文を送るも相手にしてもらえないでいると、小野小町はこんなことを言い出したという。
「百夜訪ねて来てくれたなら、お心に従いましょう」
3カ月以上、連日通うことになると思うと、なかなかたいへんだ。それでも恋は盲目。深草少将は雨の日も風の日も、せっせと小野小町のもとに通った。
そして、ついに百夜目。ようやく小野小町と恋人になれる! 深草少将はさぞ楽しみにしていたに違いないが、百夜目にちょうど大雪に見舞われてしまう。寒さと疲労がピークに達し、そのまま凍死してしまったという。あと少しだったのに……。
こんな伝説が残るほど、何かと思わせぶりな態度をとっては、男性たちの心を惑わせた小野小町。現代ならば「あざとテクニック」をSNSで発信して人気者になっていたかも?