30歳年下との不倫に情熱を燃やした男、金子光晴(「恋に奔放」ランキング2位)

 歌人が恋の和歌を詠めば、詩人は情熱的な言葉で口説く。金子光晴はこう口説いた。

「好きだ。好きだから、世の中にウソをついていこう。それを持続する鍵は世間を欺いていくことだ」

 不穏な雰囲気がするのは、不倫の恋だったからだ。しかも、このとき光晴が53歳で、相手の大川内令子は23歳。30歳もの年下の愛人を光晴は「ウサギ」と呼んで、79歳で死去するまで、くっついたり離れたりを繰り返している。

 ただ、光晴は妻の三千代と「新しい相手ができたら、遠慮なくお互いに別れる」という条件で結婚しており、三千代も光晴以外の男性とたびたび恋に落ちた。奔放な二人だったが、相手の心が離れれば、嫉妬や悲しみの感情も見せている。夫婦関係もいろいろだ。

金子光晴金子光晴(1950年6月、写真:共同通信社)