国民民主党は「第三極」?

「『排除されない』ということはございませんで、排除いたします。……安全保障、憲法観といった根幹の部分で一致していることが政党としての必要最低限のことと思います」

 これは「排除発言」として有名になった小池さんの言葉。

 新党「希望の党」結党時の記者会見(2017年9月29日)で、前原誠司代表の「民進党」を丸ごと吸収するのではなく、国家観で選別するという政党としては当然のことを言ったまでだ。

 しかし、右と左から猛攻撃を受け、世論は上から目線の小池発言に猛反発。希望の党は急速に勢いを失い、「排除された」枝野幸男氏らの作った立憲民主党が直後の総選挙では大躍進。野党第1党となった。

 私に言わせれば、「排除論」が原因ではなく、「民進丸ごと、所属議員は漏れなく希望の党に入れる」との姿勢を示した神津里季生連合会長に乗ったことが問題だったのだ。

 希望の党は公示前の57議席から50議席にダウン。この時、希望の党で当選したのは、細野豪志・長島昭久の両氏(現自民)、泉健太・小川淳也の両氏(現立憲)、玉木雄一郎・古川元久の両氏(現国民民主党)ら旧民主党系が圧倒的であった。

 小池さんは都知事を辞める気はなく、いきなり総理を狙っていたわけではないが、第2党どころか第3党になってしまった。

 総選挙後の希望の党議員総会は大荒れに荒れた。小池さんは嫌気がさしたのか、共同代表を選ぶこととなり、玉木雄一郎氏と大串博志氏が代表選に立ち、玉木さんが圧勝した。

希望の党の新執行部が発足し、手をつなぐ(左2人目から)小池前代表、玉木代表、古川幹事長(肩書は当時)=2017年11月14日午後、国会(写真:共同通信社)希望の党の新執行部が発足し、手をつなぐ(左2人目から)小池前代表、玉木代表、古川幹事長(肩書は当時)=2017年11月14日午後、国会(写真:共同通信社)
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 その後、希望の党はテクニカルな分党などの手続きを経て、自然消滅。玉木代表の率いる国民民主党(略称・民主党)は自動車・電力・ゼンセン・電機・金属などの民間労組を支持母体とした昔の「民社党」と同じような立ち位置となった。

 結果として民進党は解体され、連合は事実上、分断された。

 私の理解では、「第三極」とは「自民でもない」、「民主でもない」ダブルヘイターの受け皿で基本「しがらみがない」ことが特徴である。その意味では国民民主党は第三極ではない。

 今回、国民民主党が大ブレークした背景は何か。