与党の敗北に響いた物価高
今回の与党惨敗を受けて、2009年9月の自民党下野が引き合いに出されることは多い。
当時はリーマンショックを受けた超円高と、これに伴う国内景気の冷え込みが手伝って、時の政府・与党に厳しい審判が下ったと言われていた。しかし、実は前年には1バレル140ドル以上の原油価格急騰があり、数々の値上げが実施され、消費者物価指数(CPI)の上昇率でも+2%をにわかに超えるという事態に直面していた。それを踏まえての総選挙だったのである(図表①)。
【図表①】
今回の総選挙も過去2年間にわたるCPI急騰を経て、物価高が争点化する中で行われている。国民が物価高に窮する状況で行われる総選挙は時の与党に厳しい審判がくだりやすい。これは洋の東西を問わない話だ。