衆院選投開票の様子を、腕を組んで見守る自民党の石破茂総裁(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)衆院選投開票の様子を、腕を組んで見守る自民党の石破茂総裁(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
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(渡辺 喜美:元金融担当相、元みんなの党代表)

「敵はもっと近くに置け」って…

『「味方は近くに置け。敵はもっと近くに置け」って、ゴッドファーザーも言ってんだろう』

 最近お亡くなりになった西田敏行さんがドラマ「ドクターX」で語るシーンがある。アル・パチーノ演ずるマイケル・コルレオーネが「ゴッドファーザーPART Ⅱ」で言ったセリフだ。

旭日小綬章受章が決まり記者会見でポーズをとる西田敏行さん=2018年4月、東京都港区(写真:共同通信社)旭日小綬章受章が決まり記者会見でポーズをとる西田敏行さん=2018年4月、東京都港区(写真:共同通信社)
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 今から12年前の総裁選で安倍晋三氏は石破茂氏に大逆転勝利したが、大嫌いだった石破さんを幹事長に起用し、長期政権の基を作った。石破さんは結局、封じ込められ、次の総裁選には出られなかった。

 石破総裁には高市早苗幹事長という選択肢もあったはずだが、総務会長をオファーしてあえなく断られる。最初から「敵はもっと近くに置け」という発想はなかった。

 選んだ幹事長は、郵政民営化に反対し、無所属立候補の経験を持つ森山裕氏。高卒のたたき上げながら税調のインナー。党内外の人望も厚く、うってつけの人事と思われた。