石破さんにはドンデン返しを仕掛ける反射神経がなかった

「自民党をぶっ壊す」と小泉純一郎さんが同じ森喜朗派でありながら登場して大ブレークした。「金丸ゼネコン脱税事件」の後、金丸派の中枢にいた小沢一郎氏らが離党・新党結成で政権交代までやってのけた。

 政治劇場には舞台のドンデン返しの仕掛けが必要になる。

 ところが、石破さんにはそのような反射神経がなかった。直感・実感・大局観を伴った構想力とブレーンが決定的に欠けていた。

 今、石破さんに起きているのは過去の石破発言のブーメラン現象である。

 例えば、2007年、第一次安倍内閣の時の参議院選挙は、「消えた年金記録」のリーク情報によって安倍内閣の支持率はガタ落ち、ボロ負けだった。

 石破さんは安倍退陣を主張。久米宏「ニュースステーション」で、閣僚だった私と「対決」した。

衆院予算委で答弁する石破防衛相(中央、肩書は当時)。福田内閣では渡辺喜美氏(右上)も閣僚を務めていた=2007年10月9日(写真:共同通信社)衆院予算委で答弁する石破防衛相(中央、肩書は当時)。福田内閣では渡辺喜美氏(右上)も閣僚を務めていた=2007年10月9日(写真:共同通信社)
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 私は「参議院選挙は政権選択の総選挙と違い、大関の角番みたいなもんだ」と石破さんに反論したところ、番組が終わってから山のような批判メールを頂戴し、辟易した記憶がある。

 デタラメ年金記録のリークが、私の担当する「天下り斡旋の全面禁止」という改革に対する「クーデター」であるのは明らかだったが、石破さんの退陣論の方が分かりやすかった。

 首班指名を乗り切ったとしても、ドラスティックな政治改革や経済政策の変更をしない限り、今後、石破退陣論は広がるだろう。それは過去の石破さんの言動から受ける攻撃でもある。

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