市議会に基本的計画も提出してない

 私自身、小松市長に対し、「自己資金で運営が困難な法人が補助金をあてにしてK-POP大学をつくるだけでも問題なのに、そんな何の実績もない大学に市の予算(我々の税金)を13億円も注ぎ込むのはありえない」と何度も個人的に意見してきた。

 こうした批判に、市長は「すでに13億円の支援予算を市議会に諮り、圧倒的多数で可決成立(賛成15票、反対4票)し、市議会の理解は得ている」と釈明する。

 しかし、内実を調べると、市役所は市議会に対して、設置許可の前提となる「アンケート調査にもとづく進学希望者数」「地元企業等の卒業生就職受入見通し」はおろか、大学設置運営に関する基本的計画も提出していない。

 要は「議会は白紙委任しろ」と言っているのである。それを丸呑みする市議会も本当に情けない。前述の近藤さんが指摘した⑨のとおりである。

 市は「大学設置が文科省に許可されなければ、市は予算は支出しない」としているが、これは話のすり替えにほかならない。

 ここまで市が関与している以上、もし不認可となったら市の名声は失墜する。市長は有力議員に「もし大学が失敗したら責任を取る」と漏らしたという。市議会でも「不退転の決意で進める」と答弁している。これらの言葉は政治的には辞任を指すと思われる。

 しかし、私は小松さんの辞任を求めているわけではない。

 小松さんの責任の取り方は別にある。それは、そもそも、旭学園に申請を出させないことだ。そうしたら不認可も不名誉な差し戻しもない。

 ましてや認可されてもほぼ失敗すると言われている学校運営にも携わらなくて良い。つまりは我々市民を極めて不安定な状況に巻き込まなくて済むことにつながる。

 小松さんが13億円の支出をやめるといえば、それをあてにしている旭学園は申請を出すのをやめるであろう。その覚悟を見せることだ。