経済効果は疑問、市民の意見は無視

 元北海道新聞の記者で網走市議会議員をつとめられた近藤憲治さんが、「選挙ドットコム」に、その課題を以下のようにまとめている。

【武雄アジア大学構想に懐疑的な理由まとめ】
①「私立大学」誘致・設置は人口減少対策や地方創生に全ての答えをもたらすわけではない。地方都市では経営破綻から無理やりの公立化や廃墟化等、地域の重荷・負債になるケースも多数。
②学校法人旭学園を信用できない。(既存短大の運営状況、財務状況、組織マネジメント能力、武雄市民に対しての姿勢等)
③韓国エンタメ等の学部構成やカリキュラムが武雄市の地域特性に適合しない。
④特定の外国勢力のサイレント・インベージョンの拠点となる懸念(安全保障上のリスク)
⑤開学したとしても税金を原資とした13億円の財政支援に見合った明確な効果が見通せない。(経済効果や税収増加の試算も杜撰で現実味がない)
⑥武雄市が「旭学園を誘致した」構図であり、今後も税金が注ぎ込まれる可能性が高い。
⑦武雄市があらゆる状況(文科省に認可されない、建物だけ残る、開学後に学生が集まらず破綻する等)を想定したリスク管理や市民向け説明を行っていない。(過度な楽観思考)
⑧武雄市民の大多数が武雄アジア大学を必要としていない。(市民有志アンケートで8割反対)
⑨武雄市議会の予算議決に至るまでの自主的な議論・調査の圧倒的不足。(詳細な資料開示、成功失敗含めた他事例比較、アンケート等の独自調査なし)
⑩市民がきちんと状況を理解した上で判断できるだけの情報が示されていない。根拠がなかったり、数字が過大だったりと、事業推進主体の旭学園と武雄市のこれまでの進め方自体にも問題あり。

選挙ドットコム「【武雄アジア大学構想に懐疑的な理由まとめ】」より

 どれももっともな指摘だが、その中で、私が最も懸念するのは、⑤の経済効果である。