
宮崎県が、食やスポーツ、自然、神話といった地域資源を生かしたDXを本格化させている。地域の強みを生かすことで、人口減少や人材不足といった構造的な課題の解決につなげられるのか。宮崎県知事の河野俊嗣氏がJapan Innovation Review主催のセミナーに登壇し、宮崎県のDXへの取り組みの全貌と成果を紹介した。その講演の内容を抜粋・再構成してお届けする。
宮崎県のポテンシャルと「5つのS」
まず、宮崎県の現状とポテンシャルについて触れておきたいと思います。本県の人口は全国30位台ですが、面積では14位の広さとなっており、その約75%を森林が占める「森林県」となっています。
日照時間の長さや平均気温の高さが全国上位であることなどから、温暖な気候を特徴として打ち出しています。「日本のひなた」をキャッチフレーズに掲げ、第一次産業を中心とする産業構造を築いてきました。
県外の方に宮崎の魅力を説明する際、私は「5つのS」というキーワードを用いています。「S」はローマ字で表記した場合の頭文字です。ツートップといえるのは、「食」と「スポーツ」でしょう。
食に関しては、マンゴーや地鶏、宮崎牛、キンカン、日向夏などを思い浮かべていただけるのではないでしょうか。スポーツでは、プロ野球やJリーグのキャンプ地として定着しています。最近では、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の侍ジャパンやラグビー日本代表の合宿地にも選ばれました。
ツートップを支えるのが豊かな「自然」と「森林資源」です。杉の生産量では34年連続で日本一となっています。そして、古事記や日本書紀に描かれた「神話」。神話と関わりの深い神楽は、県内で200が継承されています。2025年11月には、ユネスコ無形文化遺産への神楽の提案が決定しました。2028年の登録を目指し、機運を盛り上げていきたいと考えています。
これら5つの魅力を生かしつつ、直面する課題をデジタルの力でどう解決していくか。それが宮崎県におけるDXのテーマです。






