【ノーベル賞受賞】「AIの父」はチャットGPTの何に警鐘を鳴らすのか?
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2024.10.9(水)
伊東 乾
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始まる前から終わっている役人対応のお粗末
まず先ほどの「G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合・閣僚宣言」から、具体的に何がダメなのかチェックしてみます。
この会合は以下の6つのテーマが議論されたことになっていました。具体的に記すと、
1:越境データ流通と信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の推進
2:安全で強靱なデジタルインフラ構築
3:自由でオープンなインターネットの維持・推進
4:経済社会のイノベーションと新興技術の推進
5:責任あるAIとAIガバナンスの推進
6:デジタル市場における競争政策
だというのですが・・・。
これら6か条の一つとして「AI」固有の事情、あるいは「大規模言語モデルLLM」に代表される「生成AI」特有のリスクを引き受ける具体的な点がありません。
仮に「AI」とある部分を「インターネット」と書き直しても、いや極論すれば「飛脚便」に置き換えても大差のない、空疎な形式論に終始しています。
実際、「自由でオープンな飛脚便の維持・推進」や「責任ある飛脚便と飛脚便ガバナンスの推進」だって重要であることに間違いはなく、結局のところお茶を濁しているだけ。
政治家と官僚の技術音痴も、ことここに極まれり、空理空論に終始している。誠に残念です。
さて、そうした「AIのリスク」に「学識経験者」としてモノ申している「ポーズ」のメッセージも、お粗末極まりないものでした。
利害関係者を含む、アピールのためのアピール、真摯な実効性を考慮したものとはおよそ申せません。