始まる前から終わっている役人対応のお粗末

 まず先ほどの「G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合・閣僚宣言」から、具体的に何がダメなのかチェックしてみます。

 この会合は以下の6つのテーマが議論されたことになっていました。具体的に記すと、

1:越境データ流通と信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の推進
2:安全で強靱なデジタルインフラ構築
3:自由でオープンなインターネットの維持・推進
4:経済社会のイノベーションと新興技術の推進
5:責任あるAIとAIガバナンスの推進
6:デジタル市場における競争政策

 だというのですが・・・。

 これら6か条の一つとして「AI」固有の事情、あるいは「大規模言語モデルLLM」に代表される「生成AI」特有のリスクを引き受ける具体的な点がありません。

 仮に「AI」とある部分を「インターネット」と書き直しても、いや極論すれば「飛脚便」に置き換えても大差のない、空疎な形式論に終始しています。

 実際、「自由でオープンな飛脚便の維持・推進」や「責任ある飛脚便と飛脚便ガバナンスの推進」だって重要であることに間違いはなく、結局のところお茶を濁しているだけ。

 政治家と官僚の技術音痴も、ことここに極まれり、空理空論に終始している。誠に残念です。

 さて、そうした「AIのリスク」に「学識経験者」としてモノ申している「ポーズ」のメッセージも、お粗末極まりないものでした。

 利害関係者を含む、アピールのためのアピール、真摯な実効性を考慮したものとはおよそ申せません。