![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/6/7/600mw/img_67ad122b155eff18053441ba2c7fb59374833.png)
今回は、5月20日から東京都美術館で開催する「心のゆらぎ~美の気づき」展に展示され、来場された方が目の前で実物に接することができる作品の紹介から始めましょう。
ハチが一匹、飛んでいます。しかし鏡には「ハチの巣」が映っているではないですか!
杉原厚吉「巣に帰る」
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/2/5/400/img_25a08966a98a683d8696cf1ce415583e63098.jpg)
「巣に帰る」と名付けられ昨年度の「二科展」に入選もした世界的な3D立体アーチスト、杉原厚吉さんの作品です。
どうしてこのように手品のようなことができるのか。
偶然?
いえ、偶然でできるような仕事ではありません。
もう一つ、杉原作品をご紹介しましょう。円柱が6本、鏡に映っているようですが、鏡の中を見てみると・・・。
杉原厚吉「変身立体 丸と四角」
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/4/1/400/img_4172470f8ec54ce9551b78033c24e33874039.jpg)
どうしてこのようなことができるのでしょう。
冷静に考えれば、鏡に映った像と肉眼で見る像、2つの関係を正確に考えて、幾何学的な合成が可能な「正解」を方程式に立て、コンピューターで計算させれば、こうした形の設計図は得られます。
それを3Dプリンターで出力すれば、このような作品を「作る」ことは、機械にもできる仕事です。
しかしこうした作品を創案、つまり「創り出す」のは、AI任せでできる話ではない。前回も言及したこの作品はどうでしょう?
杉原厚吉「家族4人」
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/3/b/500/img_3b04878db10485921ef8f863fce9e72e102900.jpg)
このレリーフ、等身大で160センチあります。
タイトルは「家族4人」と名付けられています。しかし、2人しかいないように見えるけれど・・・。
少し視点を変えてみると・・・。
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/d/c/400/img_dcfdf30e2bb25702ae5f280c74a9a814118370.jpg)
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/c/7/400/img_c73c83cb80949ea037304498046c54cc118475.jpg)
左側から眺めれば「坊やとお父さん」なのに、右側から見れば「女の子とお母さん」!
確かに家族4人ではないですか!!