将来の再生カーボン使用が期待される「マツダ3」の走りを検証

 クルマの基本運動特性の評価として用いられるNVH(ノイズ=音・バイブレーション=振動・ハーシュネス=路面からの突き上げ)については、違和感はなく、ドライバーとして自然体で乗れるスポーティカーという印象だ。

 特に、新東名高速道路での最高時速120キロ区間では、直進安定性が高いことはもちろんのこと、車線変更時や大型トラックの脇を通過する際の、自車周辺の空気の流れの影響が少ないため、安心感があって長距離移動でも疲れが少なかった。

 2019年市場導入後、サスペンションの改良が行われた効果は大きい。

「マツダ3 20S Rero Sports Edition」のインテリア(写真:筆者撮影)

 乗り心地やハンドリングは良いとしても、外観が平べったく見えるため、車室が狭くて長距離移動に向かないのではないかというイメージを持つ人がいるかもしれない。

 確かに、「CX-5」などボディサイズの大きなSUVと比べれば当然、車内空間は制限されるが、マツダ3と同じ車体を使う「CX-30」と比べると、車内の狭さを感じることはなく、また車高の低さを強く意識することもない。

 総じて、マツダ3はドライバーが自然体でスポーティ感覚で乗れるオシャレなクルマだと言える。

 こうした基本的なボディデザインや、クルマの基本的な操作機能は、レース車両である「マツダ3 Bio concept」でも同じ方向にある。

 なぜならば、マツダを含めて自動車メーカー各社が本社直結の事業として参戦しているST-Qクラスは、次世代の量産技術を研究開発する場であるためだ。

 では、話をマツダとスバルの再生カーボンを使う共創活動に戻そう。