日韓国交正常化60周年を記念した新たな「日韓共同宣言」を発表したい韓国政府にとっては、岸田首相の路線を受け継ぐ石破氏の姿勢はありがたいものだろう。しばらくは岸田・尹時代の良好な日韓関係が継続するとみられる。

世論調査で日本への良い印象が過去最高に

 当面は岸田首相時代のような日韓関係が続くとしても、両国関係にはいまだリスクが存在する。最近行われた世論調査の結果を紹介しよう。

 韓国のシンクタンク「東アジア研究院」が行った調査である。2024年8月に行われたウェブ調査で、1006名の回答を集計している。

 日本に対してどのような印象を持っているか」という設問に対して、「良い印象を持っている」「おおむね良い印象を持っている」と答えた人が合わせて41.7%で過去最高を記録した。昨年より約13ポイント上昇し、2013年の調査開始以来、最高の数値だった。

「日本に対する印象」の調査結果(出所:韓国・東アジア研究院)
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 赤色の線が「良くない印象」を持つ人、青色が「良い印象を持つ人」、灰色が「どちらでもない人」である。「良い印象」をもつ人が過去最高、「良くない印象」を持つ人が過去最低で、それぞれ40%程度で拮抗していることが分かる。

 なぜこれほど日本への印象が改善したのだろうか。