月経に関連する身体・精神症状は医療につながりにくい

――思春期の女性は月経が不安定で、自分でも何が起こっているのかよくわからないですし、親御さんにとっても初めての経験ですよね。

西 私は娘の不調に周期があることに気がつき、もしかしたら月経と重なっているのではないかと考えて調べてみると、月経困難症の中に頭痛や疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、憂うつなどの症状があることがわかりました。

 男親だから気がつきにくかった部分もあるでしょうが、同じ女性でも妻にはそのような経験がなく、こうした症状が起こるとは思っていなかったと言っていました。

 妻が娘に確認したところ、確かに月経の周期と不調が関係しているようだったので、婦人科を受診しました。ホルモン剤を処方されて1カ月ほどで元気になり、症状も軽くなって学校にも毎日通学できるようになったのです。

 おそらく娘は中学入学前に罹患した新型コロナウイルス感染や、入学前後のストレスなどが複合的に影響して、月経に伴う症状が悪化したのだろうと思います。不調の訴えから治療に結びつくまで時間がかかってしまいましたが、治療につながることができて本当にほっとしました。

*写真はイメージ(写真:kapinon.stuio/Shutterstock)
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――思春期は男女とも原因が特定できない不調を抱えることがありますが、娘を持つ親御さんとして、どうでしたか。

西 当時、この顛末をX(旧Twitter)に投稿したところ、多くの女性たちから「私の娘もそうです」とか、「自分が若い頃にそうでした」といった反応をいただき、世の中には月経に関連する症状で苦しんでいる人がこんなにもいるのだということに、正直、驚きました。「娘はホルモン剤を使って良くなって、元気になりました」というストーリーをレスして下さる方もいて、うちの娘だけではないのだと実感しました。

 もちろん、ホルモン剤には副作用もありますし、基礎疾患のある方が使えないこともありますけれど、医療につながることなく我慢している、させられているケースが少なくないことがわかりました。女性は月経が始まってしばらくしたら、まず婦人科にかかっておく、かかりつけの婦人科をもったほうがいいという意見もあり、なるほどと思いました。