(山田 稔:ジャーナリスト)
秋の味覚を楽しむシーズンがやってきた。9月中旬、アキアジ(秋サケ)漁が本格化してきた北海道の白糠(しらぬか)漁港。漁港や周辺では最先端の技術を駆使した「漁業DX」の取り組みが進む。
道東釧路市に隣接する白糠町は人口約7000人、ふるさと納税の町村部で全国トップを続けている町だ。ふるさと納税の寄付金を活用して子育て・教育をはじめ町の活性化に取り組んでいる。
さて、旬を迎えた秋サケの漁は今年も苦戦中だ。6月に公表された今年の来遊予測値は約1703万尾と過去最少。9月10日現在の「秋さけ沿岸漁獲速報」(北海道連合海区漁業調整委員会調べ)を見ても、北海道全体で43万2218尾で前年同時期の41.7%という超低水準だ。漁獲金額も6割ほどの水準にとどまっている。
白糠漁港がある「えりも以東」は4万3842尾で前年度同期比26.8%という厳しい結果となっている。そんな異変続きの北の海で行われている漁業DXの現場を取材した。