町長も支援を約束した「漁場・漁業DX」への取り組み

 内覧会に出席し、「極寒ぶり選熟」の味わいを堪能していた棚野町長。極寒ぶりの新たな取り組みついてこう語っていた。

「日本初の取り組みということで町としても大変期待しています。海洋環境の変化に伴う漁獲される魚の種類の転換期に、こうした画期的な施設ができることは漁業だけでなく町全体の活性化にとっても有意義。町としても支援するので早く軌道に乗せてほしい。この取り組みは一つの転機になるかもしれません」

白糠町の棚野孝夫町長白糠町の棚野孝夫町長(筆者撮影)

 人口7000人の小さな町が、海洋環境の変化という大きな波にもまれながらも、漁業関係者、役場関係者、地域おこし関係者、そしてふるさと納税の利用者も巻き込む形で、海の可視化、漁場・漁業DXへの積極的取り組みを推進し、新たな展開を図ろうとしている。

 面白いチャレンジの第2章、第3章もぜひ報告していきたい。

【山田 稔(やまだ・みのる)】
ジャーナリスト。1960年長野県生まれ。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。主に経済、社会、地方関連記事を執筆している。著書は『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』『分煙社会のススメ。』など。最新刊に『60歳からの山と温泉』がある。東洋経済オンラインアワード2021ソーシャルインパクト賞受賞。