(国際ジャーナリスト・木村正人)
国際課税タスクフォース
[バクー発]カリブ海の小国バルバドスのミア・モトリー首相やエマニュエル・マクロン仏大統領らが主導する「開発、気候、自然の資金調達のための国際課税に関するタスクフォース」(以下、「国際課税タスクフォース」)は11月14日、ビットコインなどの暗号通貨に課税すれば52億ドル(約8140億円)を生み出せるとの報告書を発表した。
アゼルバイジャンの首都バクーで開かれている国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)の最大の焦点は、途上国への気候変動対策資金に関する新規目標の設定だ。世界連帯賦課税は、年間1兆ドルとも5兆ドルとも言われる気候資金ギャップを埋めるための選択肢の一つ。
同タスクフォースは元仏外交官で2015年のパリ協定の立役者の1人、欧州気候財団のローレンス・トゥビアナ最高経営責任者(CEO)に率いられる。フランス、バルバドス、ケニア3カ国が昨年のCOP28で気候資金を生み出す革新的な手段を見つけるために立ち上げた。
報告書は化石燃料、航空、海上輸送燃料、炭素税や排出量取引などのカーボンプライシング、金融取引に対する賦課税の具体的な政策オプションを提案。その中で温室効果ガスの排出量と汚染を削減しつつ公平に資金を調達する可能性を秘めた3つの秘策を披露している。