そう遠くない将来に争点化する「利下げの打ち止め」

 以下の表(再掲)にも示したように、既にドットチャート終盤ではロンガーランの政策金利(≒中立金利)との接近が視野に入っており、遠くない将来に「利下げの打ち止めはいつか」が争点化してくるはずだ。

各年度末の政策金利見通し
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 パウエル議長の会見からも、かつてのような超低金利に回帰することはないという意思が色濃く見えた。必然、日米金利差の急縮小を織り込んだ円高・ドル安は修正が進みやすく、現にそうなっている。

 また、過去の本コラム「米国の利下げで日本はどれだけ円高になり得るのか?貿易赤字国に転落した日本の円高反発力に疑問」でも議論したことがあるが、今回の利下げは「日本が貿易赤字国として迎える利下げ」である。

 この点については次ページの図表が参考になる。