予備役制度の必要性

 一般的な徴兵制度では、大半の男性は予備役兵となる。

 フィンランドでは60歳までは予備役に所属し、各世代の約80%が徴兵され、少なくとも6か月間の訓練を受ける。徴収兵の約10%は予備役将校として訓練を受ける。

 予備役の兵員と将校は、ときどき訓練水準最新化のための演習に招集されるが、月給や地位を得ることはない。

 韓国の男性は国軍または国家警察での徴兵期間の後、自動的に予備役名簿に登録され、7年間毎年数日間の軍事訓練を受けることが義務付けられている。

  予備役は戦時においては、戦闘員の損耗を補充し新しい部隊を編成する。

 予備役は、駐屯地での警備任務等に従事し、防空、国内治安の維持のための要員を差し出し、補給廠、捕虜収容所、通信中枢、海空基地、その他の重要施設の警護に当たり、正規軍を前線での軍務に専念させることができる。

 予備役は平時においては、国内の治安維持任務、災害派遣に使用され、正規軍の時間を節用する。多くの国では、戦争以外の軍の役割が制限されているが、予備役については、そのような制約はない。

 予備役制度の利点は、訓練された兵員により迅速に人的戦力を増強できる点にある。

 また予備役制度により、軍の量と質を向上させられる。経験を積んだ退役軍人を確保しておくことができる。

 予備役では、軍の外部の専門的能力について訓練させ、軍にとり有用な多くの専門的技量を獲得しようとする趨勢にある。多くの国では、軍の経歴とみなされないような能力を持った人々を予備役として保持している。

 大量の予備役の蓄積があれば、政府は、新たな募兵や徴兵のためのコスト、政治的財政的負担を避けることができる。

 予備役は通常、いつも任務に就いているのではなく必要に応じて招集されるため、正規軍よりも経済面で効率的である。

 招集制度を発令する準備をすれば、敵性国にも明らかになるため、決意のほどを誇示し、士気を高め、侵略を抑止できる。

 多くの予備役兵は志願して行う訓練を、単に収入の補填や趣味と見ており、予備役はそのために維持が安価にすみ、その費用は訓練や時々行われる展開のための費用に限られる。

 予備役の技量は、インフラストラクチャーの再建に従事する平和維持活動において価値が高く、職業軍人よりも一般の市民とのより良好な関係を築ける傾向にある。

 しかしながら、予備役制度には以下の不利な点もある。

 予備役は、正規軍がもう使っていない二流の装備や、現在使用中の型よりも古い型の装備を与えられる。予備役は最新の兵器システムについての経験が乏しい。

 軍を退役した予備役は時々、正規軍よりも従軍意欲が低いとみなされる。予備役は、英国の陸軍予備役のメンバーのように、軍と民間の経歴が混合しているため、正規軍ほど経験を積む時間がなく、彼らの有用性と従軍期間には制限がある。

Military reserve force - Wikipedia as of May 1, 2024)