8月初旬に大暴落した日経平均株価は、8月16日の終値で3万8000円台を回復しました。国内では岸田首相が自民党総裁選不出馬を表明、米国では大統領選でハリス氏とトランプ氏の激戦が予想されているなか、今後の株式市場はどう動くのか。エコノミストでグローバルストラテジストのエミン・ユルマズ氏に今後の見通しを聞きました。
(河端 里咲:フリーランス記者)
※インタビューは8月13日
——8月初旬に日経平均株価は大暴落しましたが、足元の動きをどう見ていますか。
エミン・ユルマズ氏:今回の大暴落は、日本の利上げとアメリカのマクロ指標悪化に伴う景気後退懸念がきっかけでした。それに伴いアメリカの利下げ期待が高まったことで、円売りポジションが急速に巻き戻され相場がパニックになったことが背景にあります。
ただ8月13日時点の上昇で暴落前の水準にほぼ回復しており、一旦落ち着いてきたと見ています。
【関連記事】
◎【株価の先行き】次の大バーゲンセールを待て—投資の神様バフェット氏が売却に動く中、株は「買い」なのか
◎株価暴落・円高進行の責任を日銀に押しつけるのは思考停止 ただし、0.25%刻みの利上げ幅は大きすぎる可能性も
——日経平均株価は7月中旬に4万2000円の大台に乗る史上最高値を記録していました。再び高値に向かって上昇していくのでしょうか。
エミン氏:そう簡単に4万2000円台に行くとは思いません。今回のような(価格変動の大きい)ボラティリティイベントが起きると、3万5000円〜3万8000円あたりを推移する頭が重い展開が続くと見ています。
そして秋に向かって相場は荒れてきて、秋以降また大きな調整があると見ています。ただ来年の2月頃には底打ちして、そこからまた上昇していく展開になるのではないかと思います。
——秋に向かい相場が荒れる要因は。