日本株がこれから上昇する内部要因とは?

 2つ目の内部要因は、日本企業の経営効率の改善です。ここ10年、日本企業のガバナンスや経営構造が大きく改善されています。政府や東証による働きかけに加え、経営層の世代交代も背景にあります。グローバル視点を持って、ガバナンスや利益率を重視した日本の企業が増えています。

 これまで日本企業は株主を大事にしていませんでしたが、ここにきて株主主義的なスタンスに変わってきています。新NISAの導入もあり国民に投資ブームが起きているほか、(積極的に会社に提言する投資家である)アクティビスト投資家も増えています。


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 東証によるPBR(株価純資産倍率)1倍割れを是正しようとする働きかけも効果があり、増配や自社株買いをしようとする日本企業は増えています。海外からも日本株は人気です。

 ただ、まだまだ道半ば。日本企業のROE(自己資本利益率)はまだ1桁台で、2桁台の欧米並みの数字になるまでにはだいぶ時間がかかります。

 ここ10年でPBRや利益率、株主還元などを含めた経営改善ができている企業は全体の2~3割程度だと見ています。ということはまだまだ最大で4倍ぐらいの改善できるアップサイドが残っているということです。

 この2つの要因から日本株は中長期で上昇サイクルに入っていくと思います。

——特に注目しているセクターは。