中長期で上昇する5つのセクター、半導体、医薬、そして…
エミン氏:10〜20年の中長期での投資が生きてくるようなメガテーマとなる代表セクターが、やはり半導体です。半導体は21世紀の石油といわれるほど重要です。ただ今すぐ上昇していくかというと、足元はかなり割高なのでリスキーな部類に入るので注意が必要です。
次に医薬です。コロナパンデミックでも注目されましたが、グローバル化した世界では今後もパンデミックが必ず起きます。人間の寿命も伸びており、医薬は極めて重要なセクターの1つです。
3つ目は防衛です。ウクライナや中東など地政学リスクは常にあり、安全保障は重要になります。狭い意味での安全保障だけでなく、「食の安全保障」、「貿易の安全保障」、「サイバーセキュリティ」などに関しても、全て防衛関連と捉えることができると思います。
4つ目は通信です。AI(人工知能)が広がり、世界がデジタル化していく中で、通信規格や通信インフラといった関連セクターの存在感は高まっていくと見ています。
5つ目は環境関連です。これは今勢いがありませんが、引き続きオルタナティブエネルギー関連、ESG関連は注目されると思います。
一方、短期目線では、今期や来期に増収・増益率が高いところに注目した方が良いでしょう。前期から今期にかけて大きく改善するのが化学セクター、今期から来期にかけて大きく改善するのが自動車といった輸送用機器だと見ています。
——中長期で日本株は伸びていくとおっしゃっていますが、不安要素を挙げるとしたら?
エミン氏:地政学リスクですね。先ほどお話しした通り、基本的にアメリカと中国が冷戦状態であるうちは日本にとって問題ありません。むしろアドバンテージです。しかし、本当の戦争になれば日本が前線になってしまい、まずいです。
——日本の中小型株はどう見ていますか。