豊臣秀吉ゆかりの墨俣一夜城(写真:Kouji_film/イメージマート
目次

 2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』は、豊臣秀吉の弟・豊臣秀長にスポットライトが当てられ、そのユニークな視点で話題を呼んでいる。天下人となる秀吉(演:池松壮亮)を、秀長(演:仲野太賀)は右腕としていかに支えたのだろうか。第8話「墨俣一夜城」では、秀吉と秀長らが墨俣に出陣。綿密に練られた「一夜城プロジェクト」に着手するが……。今回の放送の見どころについて、『戦国最高のNo.2 豊臣秀長の人生と絆』の著者・真山知幸氏が解説する。(JBpress編集部)

『常山紀談』の記述通り?「婦人のごとき」なよなよした軍師の存在感

 誰もが知る歴史人物には、人それぞれのイメージがあるもの。どんな役者がどんなふうに演じるのかは、大河ドラマを観賞する楽しみの一つだろう。

 今回の放送では、菅田将暉演じる軍師の竹中重治、こと竹中半兵衛が登場。半兵衛は、美濃斎藤氏の家臣を父に持ち、自身も斎藤方に仕えた。

 前回の予告でちらりと映っただけでも話題となったが、実際の演技を見てさらに盛り上がることになった。いかにも内向的で、なよなよとした優男として半兵衛が描かれていたのだ。

 SNSでは「病弱っぽい」「オタク感全開」「引きこもりの陰キャ軍師」という声があがるほどで、荒々しい戦が繰り広げられる中で、かえってその存在感が際立った。

 実際にもそんな人物だったらしい。江戸中期の明和7(1770)年に成立した『常山紀談(じょうざんきだん)』には、半兵衛について「打見たる處は婦人のごとし(容貌は婦人のようだった)」と書かれている。

 少し先の展開となるが、いずれは秀吉が半兵衛をスカウトしようと動き出す。美濃と近江の国境に位置する栗原山の重治の庵を、秀吉が実に七度も通ったという伝承が残っている。『栗原山中七度通い』や『太閤七度通い』とも呼ばれる逸話で、その結果「信長ではなく、秀吉になら仕えたい」と半兵衛は快諾したという。

 これまでの『豊臣兄弟!』のストーリー運びからいって、逸話通りの物語にすることはないだろう。説得役として秀長がどう活躍するかも含めて、見逃せない展開となりそうだ。