秋に再び相場が荒れる理由とは

エミン氏:日本の総裁選やアメリカの大統領選挙、それに加えて地政学リスクがたくさんあります。

 ウクライナはロシア国土への越境攻撃を始めたほか、イスラエルとパレスチナの動向にも全く改善がなく、緊迫した状況が続いています。今回の一時的なパニック相場は終わりましたが、秋以降また一波乱があると見ています。

岸田首相は8月14日、自民党総裁選への不出馬を表明した(写真:つのだよしお/アフロ)

——かねて「日経平均株価が2025年に5万円、2050年には30万円」とおっしゃっていましたが、中長期での見通しは変わりませんか。

エミン氏:今回の大暴落を受けても、私の中長期の見通しは変わりません。遅くとも2026年前半に日経平均は「5万円」に到達すると思います。

——中長期で日本株が上昇すると予測する背景を教えてください。

エミン氏:日本株が上昇する要因は、外部要因と内部要因の2つあります。

 1つ目の外部要因について。私たちは今、米中新冷戦という冷戦の時代に入っています。これは日本に追い風となる地政学の状況です。

 アメリカ経済と中国経済がデカップリング(経済分断)する中で、日本にサプライチェーンが戻ってくると見ています。特に半導体といったハイテクセクターは日本に集まってくるでしょう。それに伴い中国から逃げたグローバル資本が直接投資、株式投資の両面で日本に集まってくると思います。

——内部要因はなんでしょうか?