山内容堂のあだ名

山内容堂

 山内容堂について、最初に「鯨飲」「鯨海酔公」「酔漢」「五斗先生」を紹介しよう。雅号の1つでもあるが、これらはすべて、容堂が大酒豪だったことに由来しており、容堂自身も好んで用いている。また、「九十九洋外史」(つくもなだがいし)があり、これも雅号の1つであり、容堂の領地である土佐湾の別名を意味している。"

 さらに、「狼先生」があるが、これは容堂の剛腹さを表現したものである。なお、「酔狼君」(すいろうくん)は、「酔漢」と「狼」を合わせたものである。まさに、言い得て妙の容堂のあだ名である。

島津久光のあだ名

島津久光

 島津久光について、有名なものに「芋公」がある。これは、薩摩藩の特産物であるサツマイモになぞらえているが、やや田舎者といった揶揄的要素が含まれる。

 また、「大愚叟」(だいぐそう)は極めてシニカルな背景を持つ。これは、徳川慶喜から「天下の大愚物」と揶揄されたことに由来する。幕末期は、幕府VS薩摩藩、慶喜VS久光の抗争の時代であったが、そのことが色濃く反映されたあだ名であり、非常に興味深い。