アフターマーケットの特殊性とは

 ここでいうアフターマーケット市場とは、新車または中古車に対して内外装の装飾や、エンジン、サスペンション、タイヤなど走行性能を左右する「後付け商品」を指す。

 自動車産業の歴史を振り返ると、60年代から70年代には若者を中心にスポーツカーを改良することが流行し、新車ディーラーがいわゆるスポーツパーツを自主販売したり、個人経営のカーショップが国内外の各種スポーツパーツを扱ったりするようになった。

 80年代になると、ターボチャージャーを後付けしたり、音量の大きな排気管(マフラー)に変更したり、またサスペンションを大幅に改良したり、チューニングカーブームが起こった。自動車関連イベントの「東京オートサロン」はこうした時代背景の中で生まれた。

アフターマーケット市場のイメージ。東京オートサロンにて(写真:筆者撮影)

 90年代に入ると、ミニバンの乗用化が進み、派手な内外装をミニバンに施すユーザーも急激に増えた。

 アフターマーケット市場に対して、自動車メーカー各社は当初、一定の距離を置いて静観していた。各種の改良は、新車を設計する際には想定しておらず、車両の保安基準を満たさない恐れがあるからだ。違法と合法の間にある「グレーマーケット」という認識も広がっていた。

 ところが、90年代後半に、ドイツのメルセデス・ベンツ(当時のダイムラー)やBMWを筆頭に、アフターマーケット製品を自動車メーカーの内製事業として組み込むという事業転換が起こった。

 こうしたトレンドはアメリカにも飛び火し、結果的に日系メーカー各社も日本市場を含めてグローバルでアフターマーケット市場に対する事業方針の転換を迫られる形となった。