巨大ITも世界で建設ラッシュ

 そもそもデータセンターとは、サーバーやネットワーク機器を設置する場所の総称で、大量のデータを処理・保管する重要なインフラです。生成AI開発には膨大な文章や画像データの処理が必要で、エヌビディアの主力製品である画像処理半導体(GPU)のような複雑なデータの並列処理ができる最先端のAI半導体を搭載したデータセンターの建設が重要になっています。

(写真:photosince/Shutterstock)

 通信分野の調査会社デローログループは、アマゾン、グーグル、メタ、マイクロソフトの4社はそれぞれ24年にデータセンターの設備投資を2桁成長させると予測しています。実際、米グーグルは5月下旬にもAI事業の成長を目的にフィンランドのデータセンター拡張に10億ユーロ(約1700億円)を追加で投じる計画を明らかにしました。

 アマゾン・ドット・コムは今後15年でデータセンターに1500億ドル(約23兆円)近くを投じる計画だと米ブルームバーグが報じています。さらに米マイクロソフトと「ChatGPT」のオープンAIが事業規模最大1000億ドル(15兆円超)のデータセンター建設を計画していることも米紙で報道されています。

 日本に向けても、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が23〜27年の5年間で2兆2600億円をデータセンターなどAI基盤に投資するほか、マイクロソフトも今後2年間で約4400億円を投じると公表。米オラクルも4月に今後10年間で80億ドル以上の投資計画を発表しています。