トンネルの中にある湯桧曽駅(JR上越線)下りホームに進入する列車(写真はすべて牧村あきこ)トンネルの中にある湯桧曽駅(JR上越線)下りホームに進入する列車(写真はすべて牧村あきこ)

(牧村あきこ:土木フォトライター)

 山を貫通して鉄道を通すためのトンネルの中、地中深くにわざわざ作られた駅が、少ないながらある。ちょっとした“探検感”が味わえる、不思議な「トンネル駅」を6つ紹介しよう。

 駅がトンネル内にあるということは、利用者は使いづらいし、建設コストもかかる。なのになぜそこに駅があるのか? そうならざるを得なかった理由を知るだけでもおもしろいが、それを知って現地を訪れればますます楽しめるだろう。

「地下にある駅なら、地下鉄の駅はみんなそうなのでは?」もちろん、そうだ。「トンネル駅」に厳密な定義はないが、ここでは地下鉄以外、旅客が利用する“鉄道”の駅、と捉える。そうすると日本全国で6つだが、考え方によって該当する駅に少し違いが出る点は、ご了承願いたい。

 今回とりあげる6つのトンネル駅(次表)は、いずれも険しい地形を通る鉄道路線で、山岳地帯を貫くトンネルの中に駅がある。

トンネル内にある鉄道駅トンネル内にある鉄道駅

無人通路に響く足音、ダンジョン感あふれる筒石駅

筒石駅下りホームを発車する直江津行き列車筒石駅下りホームを発車する直江津行き列車

 今回取り上げるトンネル駅の中で、一番“探検感”が強いのが筒石駅だ。

 列車からホームに降り立ってから地上に出るまでに、階段と曲がり角、上りと下りのホームをつなぐ連絡通路への分かれ道などをクリアしなければならない。ほかに降りた人がいなければ、響くのは自分の足音だけ。まるで地下ダンジョンのようで、異空間に迷い込んだ気分を味わえる。壁は結露で水がしたたり落ちているし、夏場は霧がたちこめ幻想的な空間になる。

上りと下りのホームをつなぐ連絡通路には、夏場に霧が立ち込める上りと下りのホームをつなぐ連絡通路には、夏場に霧がたちこめる