「閉じ込められてしまう?」不安がつのる美佐島駅

美佐島駅の乗り場。左手がホームとを隔てる扉。正面が地下の待合室美佐島駅の乗り場。「電車が到着するまで扉は開きません」と表示されている。左手がホームとを隔てる扉

 トンネル駅だからこそ実感できるものとして、「高速で通過する列車による突風」がある。以前、これが体験できたのが美佐島(みさしま)駅だ。

 美佐島(新潟県十日町市)は、越後湯沢と直江津を短距離で結ぶ北越急行ほくほく線(営業は六日町-象潟間)の駅で、1997年のほくほく線の全線開業と同時に、赤倉トンネル内に設置された。

 北陸新幹線が長野から金沢まで延伸される前は、「特急はくたか」がほくほく線を利用しており、美佐島を時速150km前後で高速通過していた。このときは風速25mという突風になるため、二重の防風扉が設置されていて、(停車する)列車が止まったときだけ、扉が開くようになっていた。

 その後、「はくたか」が廃止され、快速や超快速スノーラビットも2023年3月でなくなったため、現在美佐島にすべての列車が止まる。列車の高速通過は体験できなくなったが、二重の防風扉の仕組みはそのまま残っている。

 美佐島駅のナゾは「なぜここに駅があるか」。県道沿いにはあるものの、近くに大きな集落がなく、なぜわざわざトンネル内にコストをかけて駅を設置したのか、ネットで調べた限りでは、よくわからなかった。

 宇宙船や潜水艦の気密室と同じ仕組み「二重の防風扉」の詳しい構造はこちら。
「2つのドアの間に閉じ込められる!?」ジワジワ不安が高まる美佐島駅(2024.4.21)

地上にある美佐島駅の駅舎地上にある美佐島駅の駅舎