“世界で最も低い場所”にある体験坑道駅

体験坑道駅に停車中の「もぐら号」体験坑道駅に停車中の「もぐら号」

 青森と北海道を鉄路で結ぶ青函トンネルに、竜飛海底駅と吉岡海底駅という2つのトンネル駅があったことを覚えている人も多いだろう。吉岡海底駅は、(海面を基準として)世界で最も低い場所にある駅、という称号をもっていたが、両駅は北海道新幹線の開業に伴い、2014年(平成26年)に廃止された。

 しかし、“世界で最も低い場所にある駅”はいまだに青函トンネルにある。それが、「青函トンネル竜飛斜坑線」の「体験坑道駅(青森県外ヶ浜町)」だ。

 トンネル工事のための斜坑で使われていたケーブルカーが、いまでも青函トンネル記念館のアトラクションの一つ「体験坑道」として運行されている。しかも「青函トンネル記念館駅」と「体験坑道駅」の2駅を結ぶ路線は、鉄道事業法による“鉄道”として認可されているのだ。

 したがって、世界で最も海抜の低い“鉄道駅”の称号は、しっかり受け継がれているということだ。

体験坑道駅から続く青函トンネルの坑道。観光用にライトアップされている体験坑道駅から続く青函トンネルの坑道。観光用にライトアップされている

 実際の坑道体験を実感できる写真はこちら。
“世界で最も低い駅”ってどこにある?青函トンネルが生んだ体験坑道駅(2024.4.21)

 一口に「トンネル駅」と言っても、その形態や成立理由はさまざまなのがおわかりいただけただろう。興味を持った駅があれば、ぜひ現地に行ってその不思議さを体験してほしい。