日産自動車「フェアレディZ」(写真:筆者撮影)

2月24日から2日間、日本自動車連盟(JAF)主催の「モータースポーツジャパン2024」が都内で開催された。
筆者は「U-18運転予備校」という13〜16歳の中高生がクルマの運転を体験するイベントにインストラクターとして参加しながら、試乗車となった日産自動車「フェアレディZ」の走りを改めて検証した。
そこで見えてきたのは、進化し続ける「Zらしさ」だ。Zの走りを体験した中高生がクルマを買うころには、Zは電気自動車(EV)になっているのだろうか。それとも……。(JBpress)

(桃田健史:自動車ジャーナリスト)

 ジャパニーズスポーツカーの代表格、日産「フェアレディZ」(以下、Z)。2月下旬に都心で開催されたイベントに関連して、久しぶりに現行の6代目を改良した実質的な7代目Z(RZ34型)を公道や高速道路でゆったりと味わった。

 少し時間を戻せば、北海道の日産陸別試験場で2022年7月、量産に向けた最終プロトタイプのZを思い切り走らせた。長い直線路では停止状態からアクセル全開でホイールスピンさせながらフル加速し、高速周回路を時速180kmで走行しながら積極的に車線変更し、また欧州の山間部を意識したようなワインディングテスト路でフルブレーキングからのS字コーナーを駆け抜けた。

 北海道でのプロトタイプ試走の後も、量産モデルを首都圏の公道で試乗してきたのだが、今回の試乗では改めて「Zらしさの進化」を実感することができた。

フェアレディZの車内(写真:筆者撮影)

 試乗車のグレードはVersion STで、9速のオートマティックトランスミッション車。ボディ寸法は、全長4380mm×全幅1845mm×全高1315mm。

 最近は多目的スポーツ車(SUV)などでも車幅が1800mmを超えるクルマも少なくないため、Zも日常生活の中で取り回しが大変ではないかと想像する読者もいるだろう。

 実際、運転席からボディ左右の先端は見えない。だが、ドライバーとクルマとの一体感があるために、いわゆる“車幅感覚”がつかみやすく扱いやすい。

 マフラーからのエキゾーストノート(排気音)は、ジェントルで上級感がある響きだ。

 そんなZと街なかの様々なシーンを共にしながら、ふと頭に浮かんだ言葉は「コスパの良さ」だ。