
2025年3月11日から14日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で「FOODEX JAPAN/国際食品・飲料展」が開催された。1976年より毎年開催され、今回は50回目を迎える。今回は世界から74カ国・地域から、2930社が出展し、来場登録者数は4日間で7万2000名を超えた、アジア最大級の食品・飲料展示会だ。出展者は、商談に持ち込むことをめざして、国内外から集まるバイヤーに自社の自慢の製品をアピールしていた。
ヨーロッパ諸国のブースが集まる会場を一回りすると、日本にいながらまるでヨーロッパ旅行にいったかのようにヨーロッパの食文化にふれることができた。その様子を紹介する。
スウェーデンでは「金曜日はタコスの日」?
スウェーデンのブースでは、「フィーカを体験してみませんか」と北欧らしいデザインのカウンターに案内された。フィーカとは、家族や同僚と一緒にコーヒーと焼き菓子を楽しむ習慣だ。シナモンロールやクッキーとともにスウェーデン自慢のコーヒーを味わわせてもらった。その後、こちらもどうぞとワカモレとナチョスが出てきた。ワカモレはアボカドのソースでトルティーヤチップスなどとともに食べる。
そういえば、カウンターのキッチンの向こうでは、タコスを作っている。ワカモレもタコスもメキシコ料理(あるいはテックスメックス)である。なぜ、スウェーデンでメキシコ料理なのだろうか?
担当者によると、スウェーデンではタコスなどのメキシコ料理はとても人気があるとのこと。金曜日は「タコスの日、タコフライデー」が定着していて、多くの家庭では夕食にタコスを食べるのだという。スウェーデンは共働きの家庭が多く、手軽に食べられるうえ、野菜や肉などもたっぷりで栄養バランスもよいと、食卓にタコスが浸透していった。週末の金曜日は、翌日のことを考えずにゆっくりすごすのにタコスはぴったりなのだ。
タコスのシェルはスウェーデンオリジナルのバスタブ型だった(写真1)。簡単に盛り付けできて、器ごと食べることができる。スウェーデンの意外な一面を知ることができた。