カネにまつわるスキャンダル多発
政党助成法の成立は、1993年に発足した細川護熙政権の時代にまで遡ります。その直前まで戦後長く政権を維持していた自民党からは、カネにまつわるスキャンダルが続出。リクルート事件や巨額の脱税事件で有力議員が相次いで逮捕・起訴される事態となり、国民の怒りも頂点に達します。そうした背景には常に「企業のカネ」の問題が横たわっていました。自民党の「金権政治」「金権選挙」の大元は企業のカネであるとの認識が政界にも国民の間にも広がっていたのです。
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自民党とカネに対する批判が強まったことで、政界では政治改革が最大の焦点になります。同時に新生党や新党さきがけといった政党が新たに誕生。総選挙の結果、自民党は40年近く握り続けていた政権を手放すことになりました。そして誕生したのが、非自民・非共産の8党連立政権です。首相には日本新党のリーダーだった細川氏が選出されました。
細川政権を誕生させたのは、金権腐敗政治に対する国民の怒りでした。このため、細川政権は政治改革4法を1994年に成立させ、政治の仕組みを抜本から変えようとしました。柱となったのは、選挙制度と政治資金の改革です。
選挙制度改革では小選挙区の導入が柱でした。1つの選挙区で複数の候補者が当選する衆院の中選挙区制を廃止し、1つの選挙区で1人しか当選しない小選挙区を軸とする小選挙区比例代表並立制を採用したのです。これによって、選挙にかかるお金が少なくなり、二大政党制が進むと説明されていました。