「政策活動費」の最終的な使途は非開示
一方、自民党の裏金事件をきっかけにして、「政策活動費」と呼ばれる資金にも注目が集まっています。これは、政党が所属議員に渡す政治資金で、支出する政党側には収支報告書に記載する義務がありますが、受け取った所属議員は公開の義務がありません。このため、各議員に渡った先でその資金が何に使われているのか、外からは全くわからないのです。
2022年の収支報告書によると、自民党は党幹部15人に総額14億1640万円の政策活動費を渡しました。内訳は茂木敏充幹事長に9億7105万円、渡辺博道経理局長に1億3250万円などとなっていますが、議員が何に使ったかは不明のままです。
政党側は、使途をすべて明らかにすれば、逆に政治活動の自由を縛ることになるなどと説明しています。そして政策活動費を党幹部らに配るのは自民党に限ったことでもありません。
しかし、政党交付金として巨額の公金を受け取る政党が、その最終的な使途を明らかにしない現状に納税者は納得できるでしょうか。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。