「つみたて王子」こと、なかのアセットマネジメント社長・中野晴啓氏による連載「中野晴啓の正しい投資」。第5回は、新NISAの開始を目前に控え、改めて制度誕生の経緯を振り返りつつ、新たに設定された1800万円の生涯投資枠の意義を考える。
前回*1から、少々連載の期間が空いてしまいました。資産運用会社の立ち上げは、予想はしていましたが、やはりドタバタですね。9月になかのアセットマネジメントを設立し、金融庁への届け出準備がようやくメドがついて、資本構成も固まりつつあります。それでも、当初予定していた年内の事業開始は難しく、年度内にずれ込みそうです。
*1:新NISAに残る課題、「顧客本位の資産運用」を阻む金融業界の「親会社問題」
前職のセゾン投信では親会社と経営方針をめぐり意見が合わず、退任を余儀なくされました。その教訓を踏まえて新会社では私が過半数の議決権を持ちます。スパークス・グループと第一生命ホールディングスに3億円ずつ出資していただき、そのほか大手金融機関や地銀、個人投資家を含めて資金調達額は合計で十数億円ほどになる予定です。
私の出資分のみを「複数議決権株」とする仕組みを使うことで、過半数の議決権を確保します。大変ありがたいことに、スパークスも第一生命も、私が過半数を持つことに賛同し経営を任せてくださいます。大手金融機関に属さない独立系資産運用会社の誕生に対する応援資本だと受け止めています。
いよいよ、2024年から新たなNISA(少額投資非課税制度)がスタートします。それに合わせてNISA口座を開設した方も多いのでは。今回から2回にわたって、改めて新NISAのポイントを押さえておきたいと思います。ぜひ、皆さんが資産運用の方針を考える上で、参考にしていただければと思います。
まずは、新NISAという制度のポイントを押さえておきましょう。