「つみたて王子」こと、なかのアセットマネジメント社長・中野晴啓氏による連載「中野晴啓の正しい投資」。第6回は、新NISAの開始を目前に控え、長期投資を前提に投資信託を選ぶ際のポイントを押さえる。
前回*1は、新NISA誕生の経緯を振り返りながら、いま始めるべきポイントを解説しました。では、いざ新NISAが始まったら、どのような基準で投資したらいいのでしょうか。
*1:新NISAで「億万長者」にもなれる?今から資産形成を始めるべき3つのポイント
つみたて投資枠では対象が長期積立に適した投資信託に絞り込まれていますが、それでも200種類以上あります。成長投資枠も使えば、さらに選択肢が広がります。国内で設定・運用されている投資信託の数は6000程度。選択肢が多すぎてなかなか選べない、という状況も、多くの人が投資に二の足を踏んできた要因にもなっています。
そこで、今回は投資信託を選ぶ際に最低限、押さえておきたいポイントを解説したいと思います。
「死ぬまで続ける」前提で買う
まず、最も大切なことは、運用期間に終わりはない、という前提に立つことです。「年金受給が始まるまで」とか「もうかったらやめる」とか、資産運用とはそういうものではない、と考えてください。経済が回り続ける限り、投資したお金を育て続けることができます。できるだけ長く、極端に言えば「死ぬまで」資産運用は続けるべきです。
新NISAでは非課税期間が恒久化されています。つまり、制度上も終わりはなくなりました。生涯投資枠1800万円という制限も、いったん枠がいっぱいになっても一部を売却すれば、その分だけ再び投資枠を活用できます。
「人生100年時代」と言われます。ライフプランはそれぞれ異なるでしょうが、仮に65歳で仕事から完全に引退したとしても、100歳まで35年もあるのです。この人生最後の期間をお金に汲々(きゅうきゅう)とせず、豊かに過ごすためにも、できるだけ長く資産を運用するという視点で投資先を選びましょう。