感染症まん延、犯罪発生など避難所で起きる「最悪の事態」
自宅からの避難者に加え、帰宅困難者も駆け込むことで、避難所の収容力を超える事態が発生する。キャパオーバーで寝泊まりする十分なスペースがないうえ、停電、通信遮断で行政が避難者の状況確認をできない状況が発生する。避難所に備蓄してある物資も早々に枯渇する。
衛生面の不安も大きい。ごみ、し尿処理の停滞で衛生状態は悪化。汲み取り式のトイレではバキュームカーの不足、通行不能などで早期に使用できなくなる。衛生悪化で夏季などは感染症が発生する恐れもある。
避難所生活が長引くなか、プライバシー不安にさいなまれ、物資の不足やストレス増大に伴いトラブルや犯罪が発生するなど治安悪化の事態に。高齢者や持病を持つ人は慣れない環境下での生活で持病が悪化する。また、都内には60万人近い外国人が居住しているが、コミュニケーション不足や生活習慣の違いによるトラブルも懸念される。
地震発生直後は公共交通機関の機能停止、道路の寸断、交通規制、渋滞などで行政担当者の移動、行動にも大きな制限がかかり、救助や支援など被災者を守る態勢が十分に行えない可能性が高い。
それだけに住民の間で「共助」が必要となってくるのだが、住民間のコミュニケーションが希薄なタワマンなどの集合住宅が多いエリアは迅速で柔軟な対応も困難とみられる。