米国の多目的無人機「MQ-9」と酷似した無人機を北朝鮮は開発している(2021年9月撮影、米空軍のサイトより)

 北朝鮮は、2021年から射程1500~1800キロの地上発射巡航ミサイルを、2022年3月には潜水艦発射巡航ミサイル(射程同じ)、そして、2023年3月には射程1000キロの大型魚雷の実験を行っている。

 祖国解放70周年パレードには、これらのミサイルのほかに、新型の極超音速滑空体や大型の無人偵察機、および無人攻撃機を登場させた。

 登場した無人機はこれまでのものと異なり、大型で米国製に酷似している。

 なぜ、これらの兵器を開発するのか、米国製に酷似しているのか。

 北朝鮮はこれまで、弾道ミサイルの開発に専念してきた。

 短距離、中距離、ICBMの実験を成功させた。短距離ミサイルは、低高度で軌道を変化させることも可能になった。

 極超音速滑空体も2タイプ実験し、まだ成功しているとまでは言えないが、確実に進化している。

 これらは、米国本土・米国の島嶼・韓国・日本の領土の戦略基地(地上目標)に向けて、攻撃をするものだ。

 だが、これだけだと2000キロ離れた洋上から北朝鮮に向けて攻撃可能な米軍・韓国軍の空母、イージス艦、潜水艦および爆撃機からの巡航ミサイル攻撃に対しては、何も手出しができず、やられっぱなしになる。

 これら米空母とイージス艦には、せめて一撃を与えたいと考えているのだろう。

 北朝鮮が考えている対米海軍戦略を解明するために、最近になって実験を行っている兵器や7月の軍事パレードに出現した兵器、特に各長射程兵器とこれに繋がる兵器の特色や狙い、そしてこれらを総合的に考察したい。