ロシア地上軍にとって脅威となり続けている米国供与の155ミリ榴弾砲(写真は6月19日米陸軍の演習で、米陸軍のサイトより)

1.ワグネルの前にロシア地上軍の姿なし

 エフゲニー・プリコジン氏と彼が率いるワグネル部隊は武装蜂起(6月23~24日)し、ロシア・ロストフ州内の南部軍管区司令部を占拠した。

 さらに北方に移動して、ボロネジ州ではロシア軍攻撃ヘリを撃墜した。さらに、モスクワに向かって前進し、モスクワまであと200キロのところまで到達していた。

 モスクワに向かう道路には、砂を積んだ大型トラックが道路を塞ぐように置かれていた。

 これらの車両は、軍の戦闘車に簡単に押し出されてしまうので、ほとんど無意味なことであった。

 連邦保安局の装甲車は、まれに巡回しているように見えたが、戦闘配備についてはいなかった。

 モスクワでは、連邦保安局の装甲車が市内に展開した。保安局の装甲車は、軍の戦車や歩兵戦闘車と互角に戦える兵器ではない。

 6月25日午前2時、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領とプリコジン氏の話し合いがもたれ、その結果を受けてなのか、モスクワに向かっていたワグネル部隊は引き返した。

 午前5時には、プリコジンとその部隊は撤収した。